2027年春夏

2027年春夏コレクションにおいて、クリエイティブ・ディレクターのサイモン・ホロウェイは、英国男性のアイデンティティに対する人物像の考察をさらに深めます。ロジャー・ムーア、ルシアン・フロイド、そしてロード・スノードンといった、多面的な魅力を備えた英国紳士たちの個性に着目し、その特異性をシネマティックな視点で描き出します。本コレクションは、ロンドンを拠点に、そしてその先の世界へと軽やかに行き来してきた、幾世代にもわたる英国男性たちの姿を映し出しています。ヨットのデッキ、夏のオペラ、そして移ろう空の下での遅いディナー。そうした情景を背景に、精緻な仕立てと豊かな個性が共存するワードローブが展開されます。

イーサン・ジェームズ・グリーンによる『ダンヒル カタログ・レゾネ』では、パーカー・ヴァン・ノードが、この物語から生まれた一連のポートレートを通じて、その世界観を体現しています。コレクションの核となるのは、もちろんネイビーのブレザーです。ハダースフィールドで織られた ーステッドカシミア・パナマを用い、ダンヒルのシグネチャーであるボードン・ブロックで仕立てられたブルーのスポーティングジャケットが揃います。

ネイビーのダブルフェイス・リーファーコー は、希少なエスコリアルウールを用いて手仕事で仕立てられ、その卓越した品質と美しさを兼ね備えています。また、バーリー ステッチのニットウェアは、100年以上にわたるダンヒルのエンジ ター のメタルテクスチャーから着想を得た編み模様を採用しています。

グレーの色調で展開される極細のキッドモヘアとリネンによるテーラリングは、1980年代ロンドンのモノクロームなエレガンスを想起させます。計算された無造作さで巻かれたスカーフ、そしてドレーブカラーのレザーやスエードは、ヘリテージ、リラックスした佇まい、そしてアルフレッド・ダンヒルが追い求め続けた品質へのこだわりとの間に、洗練された緊張感を生み出しています。ヘドン スエード ローファーや、「アルフレッド」「センチュリー」「デューク」のレザーグッズ コレ ションのシーズナルモデルと組み合わせることで、それらは豊かな経験に裏打ちされた装いと、英国ならではの洗練されたスタイルを体現しています。

やがてパレットは、よりリラックスし、遊び心を帯びたムードへと移行します。ハンカチーフリネンのシャツを基調に、ハイツイストリネンによるテーラリングが、ターコイズ、ネイビー、アイボリー、レッドといった鮮やかな色彩で展開されるほか、セイルクロス(帆布)やスエードによる ラックスしたアウターウェアも登場します。

また、トランプのモチーフをエナメル装飾で施した特別なアーカイブのテーブルライターが、控えめな遊び心を添えます。そこから着想を得た、ダンヒルらしい夏のイブニングスタイルが描かれます。軽やかなホップサック素材のディナージャケットは、リネンシャツやトラウザーズと組み合わせることで、真夏のための新たなユニフォームとして再解釈されています。ネイビーやアイボリーの卓越した技術によって生み出されたシルクテキスタイルは、ジャカード織りやトランプモチーフのプリントとして表現され、ジャケットやローブへと仕立てられます。さらに、1960年代製のアンティーク織機で織り上げたシルクデュピオンを用いたイブニングスーツは、ブ ックタイに柔らかな表情をもたらしながら 控えめなエレガンスを提案しています。